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相続人が行方不明の時や、孤独死の相続はどうなる?相続問題のケース紹介 | 岡山で相続にお悩みの方へ



岡山相続お悩み相談室では、相続にまつわるトラブルとして、さまざまなケースをご紹介してきました。 今回は、相続人が行方不明で連絡が取れない場合の対応と、相続人がいない孤独死による財産の処理について、それぞれ詳しくお話いたします。


相続人が行方不明。連絡が取れない場合はどうすればいい?


Aさんと奥さんは再婚同士でした。 2人の間に子どもはいませんが、奥さんには前のご主人との間に子どもが1人いました。 離婚のとき、奥さんはその子の親権を前夫に譲り、Aさんと再婚してからは子どもとはいっさいの接触を断ってきました。 その奥さんがくも膜下出血で倒れ、そのまま亡くなってしまいました。 奥さんは事業家だったので、かなりの額の自分名義の預貯金を残していました。 Aさんは配偶者として奥さんの相続財産の法定相続人になりますが、もうひとり、Aさんと結婚する前に生まれた子どもも、奥さんの実子として法定相続人の権利があります。 そのため、Aさんはその子を探して、遺産分割協議をする必要がありました。 ところが、いくら手を尽くしてもその子の居場所はつかめず、遺産分割協議をおこなうことができません。 遺産分割協議がまとまらなければ、奥さんの預金を銀行から引き出すことができないのです。


不在者財産管理人制度


このようなケースでは『不在者財産管理人』という制度を利用することになります。 これは、相続において相続人が行方不明で遺産分割協議が進行しない場合、行方不明者に代わって協議に参加して、相続を進めることのできる人を指します。 この不在者財産管理人を選任するには、家庭裁判所へその申請をしなければなりませんし、行方不明者の戸籍謄本や行方不明を証明する資料を用意するなど、かなり面倒な手続きになります。 Aさんは、一刻も早く財産相続を終えたいと考えていたため、それを承知で申請をおこない、後日、不在者財産管理人が選任され、遺産分割協議がもたれることになりました。



相続人が誰もいない場合、遺産の処理はどうなる?


近年、ひとり暮らしの老人が増え、問題となっている孤独死。 その中には相続人が誰もいない境遇で亡くなっていく人も少なくありません。 Bさんはアパート経営をしており、入居者の一人、ファッション関係の店の経営者である中年の女性のことが気になっていました。 5年前に入居してからというもの、毎朝道で会うと必ず挨拶を返してくれる彼女でしたが、この2日ほど姿を見かけません。 Bさんは、以前この女性からずっと独身で子どももいないこと、一人娘のため兄弟姉妹もいないこと、両親・祖父母は既に他界しており、孤独な身の上であることを聞かされていました。 心配になって部屋を訪ねてみると、部屋の中で倒れているのを発見し、慌てて救急車を呼んだものの、あえなく彼女は亡くなってしまいました。 その後、遺品を整理していると、店の権利書や銀行ローンの契約書、かなりの金額が入った預金通帳などが出てきました。 遺言書がなかったため、これらの財産をどう処理したらいいのか、Bさんは市役所に相談に行き、相続人不在の際の財産の扱いについて教えてもらいました。


相続人のいない財産はすべて国へ


相続人が誰もいない場合には家庭裁判所がその財産を管理する人をまず選任し、相続人が本当にいないかどうかを官報で公告します。それでも相続人が現れないときには、相続人の不存在と処理されて、財産は国庫に帰属、つまり国のものになります。 相続人がいない方の場合は、自分の死後、財産をお世話になった人や友人に譲ったり、公共団体に寄付をするといったことも、遺言書に記しておけば可能になります。 すべて国のものになってもいいという場合以外は、必ず自分の意思を遺言書に残しておきましょう。


 

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