金融資産のうち、証券取引所に上場されている会社の株式は、毎日取引金額が変動します。
そのため、財産目録を作った日と相続が発生する日では評価が大きく変わることも考えられます。
財産目録には、とりあえず作ったその日の価格を記入しておきましょう。
相続税との関連では、以下4つのうちもっとも低い価額で評価をおこないます。
1)課税時期(相続や贈与のあった日)の終値
2)課税時期の属する月の毎日の終値の月平均値
3)課税時期の前月の毎日の終値の月平均地
4)課税時期の前々月の毎日の終値の月平均地
ほとんどの人には財産特定における有価証券の説明は上記までで終わりとなりますが、会社経営者で非上場企業の株式を所有している人は、以下の詳細が詳しい説明となります。
非上場企業の株式の評価方法
非上場企業の株式の評価方法は、少し複雑です。
株式の区分や会社の規模、状態などで『原則的評価方式』と『配当還元方式』の2種類の評価方式に分かれます。
原則的評価方式
会社を従業員数、総資産価額、売上高によって、大会社/中会社/小会社のどれかに区分して評価する方式です。
配当還元方式
同族株式以外の株主に対する配当金に基づき、算出する方式です。
一般的にはあまり見られない例外的なものとなり、基本的には原則的評価方式を使用します。
原則的評価方式で評価額を決める方法
原則的評価方式で評価額を決める場合、まずは経営している会社が大会社/中会社/小会社のどれに区分されるのかを見ます。
従業員が100人以上の会社はすべて大会社に区分され、100人未満の会社は、以下の区分方法によって決まります。
【大会社】
<卸売業>総資産額20億円以上で従業員51人以上、または取引額80億円以上
<小売・サービス業>総資産額10億円以上で従業員51人以上、または取引額20億円以上
<それ以外>総資産額10億円以上で従業員51人以上、または取引額20億円以上
【中会社(大)】
<卸売業>総資産額14億円以上で従業員51人以上、または取引額50億円以上
<小売・サービス業>総資産額7億円以上で従業員51人以上、または取引額12億円以上
<それ以外>総資産額7億円以上で従業員51人以上、または取引額14億円以上
【中会社(中)】
<卸売業>総資産額7億円以上で従業員31人以上、または取引額25億円以上
<小売・サービス業>総資産額4億円以上で従業員31人以上、または取引額6億円以上
<それ以外>総資産額4億円以上で従業員31人以上、または取引額7億円以上
【中会社(小)】
<卸売業>総資産額7000万円以上で従業員6人以上、または取引額2億円以上
<小売・サービス業>総資産額4000万円以上で従業員6人以上、または取引額6000万円以上
<それ以外>総資産額5000万円以上で従業員6人以上、または取引額8000万円以上
【小会社】
<卸売業>総資産額7000万円以上で従業員5人以下、または取引額2億円以上
<小売・サービス業>総資産額4000万円以上で従業員5人以下、または取引額6000万円以上
<それ以外>総資産額5000万円以上で従業員5人以下、または取引額8000万円以上
会社の規模の区分が決まると、次の3つの方式のどれで計算しなければいけないのかが決まります。
1)類似業種比準方式(大会社)
評価する会社の業種に類似した上場会社の数値を基準に算定します。
配当、利益、純資産の3つの要素があり、評価会社の業績がいいほど評価額が高くなります。
<計算式>
類似業種の株価 × (b/B + c/C × d/D)/5 × 調整率 = 1株あたりの評価額
<記号の内容>
・B=類似業種の1株あたりの配当金(bは自社の値)
・C=類似業種の1株あたりの利益(cは自社の値)
・D=類似業種の1株あたりの純資産(dは自社の値)
<調整率の内容>
・大会社=0.7
・中会社=0.6
・小会社=0.5
2)純資産価額方式(小会社 ※大会社、中会社も選択可能)
株主ひとりあたりの分配額で評価します。
純資産がもととなり、保有資産が高いほど評価額が高くなります。
<計算式>
(各資産の相続税評価額の合計 - 負債合計 - 評価差額に対する法人税等相当額)/発行済株式数 = 1株あたりの評価額
3)併用方式(中会社 ※小会社も選択可能)
1と2による評価額を一定の割合で折衷します。
通常は、2の純資産価額方式よりも有利になります。
<計算式>
類似業種比準価額 × L × 1株あたりの純資産額 × (1- L) = 1株あたりの評価額
<Lの値(類似業種比準価額で評価する割合)>
・中会社(大)=0.7
・中会社(中)=0.6
・中会社(小)=0.6
・小会社=0.5
上記の計算式で出た1株あたりの評価額に、所有している株式の数を掛ければ、自社株財産の総額がわかります。
ただし、これは会社の株式をあなたが100%所有していることが前提となっています。
あなたが亡くなったあと、次の社長が誰になるかは持ち株数に左右されます。
息子が二人いる場合など、どちらに多くの株を残すか、遺言書にはっきりと書いておかなければなりません。
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