財産相続のトラブルは、遺言書がないために起こってしまうことが多いことをお伝えしてきました。
円満な相続、残された家族の相続手続きの負担軽減のためにも、遺言書の作成は欠かせません。
ただし、遺言書には何を書いてもいいというわけではありません。
また、遺言書は15歳以上でなければ作成することができません。
遺言として法的な効力が認められる事項(法定遺言事項)、すなわち遺言書に書くことのできる事項は以下のとおりです。
相続に関すること
・相続人ごとに法定相続分と異なる相続分を指定することができます。また、その指定を第三者に委託することもできます。
・遺産分割方法の指定や、その指定を第三者に指定して委託することができます。
・相続開始から5年間、遺産の全部または一部の分割を禁止する旨を記載することができます。
・相続財産に債権があった場合、相続人相互の担保責任を指定することができます。
・相続分を計算するときに、遺留分を侵害しない範囲で特別受益分の修正を免除することができます。
・遺贈に関して遺留分の減殺請求をされたときの減殺方法を指定することができます。
・法定相続人となる人の相続権の廃除や取消をおこなうことができます。
財産の処分に関すること
・法定相続人以外の人に財産を贈る指示を書くことができます。
・公的機関や法人に財産を寄付する旨を書くことができます。
・信託(財産の処分、管理を特定の人に託す)の設定を書くことができます。
・生命保険金受取人の指定を書くことができます。
身分に関すること
・遺言に記載することで、非嫡出子の認知をおこなうことができます。
・子どもが未成年のときの後見人、および後見監督人を指定することができます。
・遺言執行者の指定またはその指定を第三者に委託することができます。
・祭祀後継者(祖先の祭祀を主宰すべき者)を指定することができます。
そのほか、法的な効力はありませんが、遺言書に書いてもいいとされているものとして『付言事項』といったものがあります。
付言事項には、家族へのメッセージ(感謝の気持ちや人生を振り返った感慨、葬儀・納骨の希望、遺品処分の仕方ほか)や、遺言内容についてなぜこのような内容になったのかという理由などを記載します。
この付言事項を加えることによって、あなたの想いが遺族の人たちに伝わり、心温まる遺言書を残すことができます。
以上をふまえ、特定した相続人、特定した財産をもとに、遺言書の内容を考え、何を書くか決まったらいよいよ作成に入ることができます。
遺言書を作成する際、『自筆証書遺言』と『公正証書遺言』といった代表的な二つの形式があります。
自筆証書遺言は、文字どおりすべての文章を自分で手書きした遺言書です。
公正証書遺言は、公証役場に出向いて自分の代わりに公証人に作成してもらう遺言書です。
それぞれ、遺言書の作り方やメリット・デメリットが異なります。
次回コラムでは、各形式での遺言書の書き方などをお伝えいたします。
相続は誰もがいつか関わる大切な出来ごと。
「生前対策」から「相続発生後の手続き」まで、真心でサポートいたします。
相続に必要な専門家が全て揃ったワンストップサポート。
相談だけならもちろん無料!
岡山で相続にお悩みの方、遺言書の作成をおこないたい方、私たち岡山相続お悩み相談室にお任せください。
岡山 相続お悩み相談室
運営:一般社団法人岡山相続支援協会
Comments